日本の出生率を上げるにはどうすればいいか?
30年以上の少子化対策が徒労の日本が学ぶべき国としてハンガリーの例を比較にあげる記事を読みました。今回は、前回のブログで取り上げようと思った日本人の出生率回復のための政策について取り上げようと思います。「日本人の出生率を回復するにはどうすれば良いですか?具体的な政策をあげて下さい。」とチャットしてみました。
答えは以下の通り。
日本の出生率を回復するには、単に「子どもを産んでほしい」と訴えるだけでは不十分で、社会構造そのものを見直す必要があります。以下に、効果があると考えられる具体的な政策を「経済的支援」「働き方改革」「住宅政策」「社会文化の変革」の4つの柱に分けて示します。
① 経済的支援の強化
● 子育てにかかる費用の無償化・軽減
- 第2子以降の保育料完全無償化(すでに一部実施中)
- 大学までの教育費(授業料)無償化または所得連動型
- 出産・育児一時金の大幅増額(現行50万円 → 100万円以上も検討)
● 母子・父子家庭や低所得家庭への手厚い給付
- 児童手当の年齢上限を18歳まで延長
- 所得制限の撤廃または緩和
● 出産奨励金・出産祝い金の導入
- 例:子ども1人につき100万円給付(地方自治体では既に実施例あり)
② 働き方・雇用環境の改革
● 長時間労働の是正と男女のワークライフバランス確保
- 残業時間の厳格な規制と監視の強化
- 在宅勤務・フレックスタイム制の普及
● 育休制度の拡充(特に男性)
- 男性の育休取得を義務化・評価制度に反映
- 育休中の手取り補償率を100%に近づける
● 非正規雇用の安定化
- 結婚・出産をためらう大きな理由の1つが「雇用不安」
- 非正規から正社員への転換支援(企業へのインセンティブ)
③ 住宅・生活環境の支援
● 若年層への住宅支援の拡充
- 子育て世帯向け家賃補助制度の強化
- 空き家・公営住宅の活用(低家賃で提供)
● 保育所・学童保育の拡充
- 待機児童ゼロ政策の徹底
- 保育士の待遇改善と確保(給与・労働環境)
● 地方移住+子育て支援のセット施策
- 例:地方に移住+出産で住宅・交通・教育の優遇制度
④ 社会・文化的な変革と意識改革
● 結婚・出産に関する価値観の多様化支援
- 独身・DINKs(子どもを持たない夫婦)を非難せず、ポジティブな子育ての発信
● 未婚・晩婚化への対応
- マッチング支援・婚活支援の公的実施
- 結婚相談所への助成、イベント支援
● 若年層の自己実現と希望を支援
- 教育・キャリア・起業支援など、若者が「希望を持てる社会」に
実施例・成功事例(参考)
- フランス:児童手当+育児休業制度+家族手当が充実(合計特殊出生率 約1.8)
- スウェーデン:男女平等な育休、所得補償率が高く社会的支持が強い(約1.7)
結論
出生率を上げるには、単なる「お金のバラマキ」ではなく、
👉 働きやすく・暮らしやすく・安心して子どもを育てられる社会
を構築することが必要です。特に「非正規雇用の不安定さ」「長時間労働」「保育の受け皿不足」「住宅の高コスト」などを解消することがカギになります。
私の読んだ記事ではハンガリーの例でしたが、フランスやスウェーデンも出生率が高いようです。まずは、フランスの例について聞いてみました。
答えは以下の通り。
フランスは、**先進国の中でも比較的高い出生率(合計特殊出生率:約1.8前後)**を維持しており、「出生率回復に成功した国」としてよく紹介されます。その成功の背景には、包括的で長期的な家族政策があります。
以下に、フランスの具体的な取り組みをわかりやすく紹介します。
🔶 フランスの出生率対策の柱
① 経済的支援(手厚い家族手当)
- 児童手当(Allocation familiale)
- 第2子から支給され、子どもが増えるほど増額
- 所得制限なし(※2015年以降は一部制限あり)
- 出生祝い金(Prime à la naissance)
- 第1子から支給。2024年時点で約1,000ユーロ(約16万円)
- 家族手当(Prestation d’accueil du jeune enfant: PAJE)
- 出産後の育児にかかる支出を幅広くカバー
- ベビーシッター、保育サービスなどの費用も対象
② 保育・教育制度の充実
- 3歳から幼稚園が無償(義務教育)
- 早期から預けられる体制が整っている
- 共働きでも安心して育児と両立できる
- ベビーシッター・保育施設の多様化と補助金制度
- 認可保育園(クレッシュ)以外にも、家庭保育ママやベビーシッターなど幅広い選択肢あり
- 国や自治体が費用の一部を補助
③ 育児と仕事の両立支援
- 育児休業制度(Congé parental d’éducation)
- 最大3年間取得可能(ただし報酬ありは1年程度)
- 男性の取得も進んでいる(制度上の平等性あり)
- 時短勤務の柔軟性
- 育児中の親には労働時間の短縮申請権利あり
- 雇用者が拒否しにくい環境
④ 税制優遇(家族単位の課税制度)
- 世帯単位課税(quotient familial)
- 所得税を計算する際に「家族の人数」で割り算して軽減
- 例えば、子どもが多いほど課税額が減る
- 高所得世帯でも「子どもが多いほど優遇」される仕組み
⑤ 結婚や家族の多様性を受け入れる制度
- 事実婚(PACS:連帯市民協約)でも手当が受けられる
- 結婚にこだわらなくても、子育てしやすい制度設計
- シングルマザー・父子家庭にも平等な支援
- 公的住宅や手当、保育支援などのアクセスが平等
🔷 フランスの成功のポイント
分野 | 特徴 |
---|---|
経済的支援 | 第2子以降が厚遇、手当・祝い金が充実 |
働き方 | 育休・時短勤務が現実的に利用可能 |
保育 | 幼稚園が無償+保育の選択肢が多い |
税制 | 家族構成に応じた課税で公平感 |
社会的価値観 | 「女性も働いて当然」「多様な家族形態もOK」 |
✅ まとめ:なぜフランスは出生率が高いのか?
- 子育て世帯に経済的・時間的余裕を与える制度が充実
- 「育児か仕事か」の二者択一を強いない社会設計
- 家族の多様性(未婚・同性・再婚家庭)を前提に制度設計
日本との大きな違いは、「子どもがいるほど社会的に有利になる仕組み」が制度的にも文化的にも整っている点です。
なるほど、所得税が家族の人数が増えるほど安くなるのはNHKでも話題に上がっていましたね。つづいて、スウェーデンの取り組みについて教えてもらいました。
答えは以下の通り。
スウェーデンは、出生率・ジェンダー平等・育児との両立分野で世界をリードする国のひとつです。以下、具体的な取り組みとその背景を詳しく見ていきましょう。
1️⃣ 充実した有給育児休暇制度(Parental Leave)
- 480日(約16ヶ月)の有給育児休暇が子ども1人に対して与えられ、給与の約80%が最長390日にわたって保障される日本法令検索+6海老沢由紀+6ESRI+6norden.org+12sweden.se+12ウィキペディア+12。
- 各親に**最低90日ずつ“父親枠”(pappamånader)**が割り当てられ、未使用の場合でも他方には譲渡できない(いわゆる「use-it-or-lose-it」方式)ウィキペディア。
- 追加で祖父母など第三者にも45~90日まで休暇の譲渡が可能になっている(2024年7月から導入)su.se+10Le Monde.fr+10デイリーテレグラフ+10。
この制度により、父親の育休取得率は約30~90%へと大きく上昇し、「ラテ・ダッド」と呼ばれる育児参加スタイルが日常文化に根付きつつありますニューヨーク・ポスト。
2️⃣ 男女平等を実現する税制・手当制度
- **児童手当(barnbidrag)**が全家庭に自動で給付され、子ども1人につき月約1,050SEK(約1万5千円)、複数子世帯には更に上乗せIPSS+5ウィキペディア+5日本法令検索+5。
- 手当には所得制限がなく、家族構成に応じて公平に支給されます。
これにより、子育てにかかる経済的負担が軽減され、多子世帯にも優しい設計です。
3️⃣ 高品質で安価な保育提供
- 公立保育所の利用率は1~5歳児の75%以上に達し、保育費は所得に連動した負担額設定。
- 保育時間も10〜12時間/日、夜間保育対応の園もあり、ワーキングマザー・ファザーをしっかり支えています。
4️⃣ 男女共同参画・社会文化の変容
- 税・労働制度が個人課税へ移行(1971年)し、共働きが前提の収入構造に改編。
- 育児育休の男性割当枠や利用促進キャンペーンにより、父親の育児参加が文化として根付きました。
- 結果として、男女の家事・育児負担の平等化が進み、出生率にも好影響を与えています。
5️⃣ 成果と課題
- 合計特殊出生率はかつて1.65〜1.9と高水準(日本は約1.3〜1.4)コクヨファニチャーPolitics Stack Exchange+3ESRI+3Reddit+3。
- 一方で2010年代以降、徐々に低下傾向(2022年には1.55)にあり、さらに多様な政策的工夫が求められていますpopulation-europe.eu+6Reddit+6コクヨファニチャー+6。
✅ 総括:スウェーデンモデルの強み
- 育児の時間とお金を手厚く保障し、育児参加を男女ともに当たり前にした革新的制度設計。
- 教育・文化の面でも男女平等が社会規範となっており、子育ては家庭だけの問題ではなく、社会全体で担うものという意識を定着。
- 制度導入から数十年かけての社会変化により、文化として定着した成果が出生率にも現れている点が最大の特徴です。
✳️ 日本への示唆
- 育児休暇の長さだけでなく、父親割当枠の導入と実効性のある取得促進策。
- 公的保育・税・手当制度の統合設計による育児支援の総合性。
- 時間・経済・文化の視点から男女平等意識の根付く社会基盤の構築が出生率回復の鍵となりそうです。
感想
なるほど、海外と比較するとまずは男女平等の文化が日本が遅れているのがポイントのようです。男性の育児休暇や保育の選択肢もそうですが、勤務時間も含めて女性が出産後も安心して平等に働ける仕組み作りがカギとなりそうです。あと、日本は子供の教育費がかかりすぎだと感じます。二人目は教育費半額、三人目以降は教育費無償などの政策があっても良いかもしれません。