4Kとは
フルハイビジョン、4Kや8Kと言った言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、これらの定義を正確に言える方はさすがだと思います。
4Kとは、水平画素数が3840(約4000)であることに由来します。Kとはキロのことで1000の単位を表します。4×1000で、4000の水平画素数だから4Kなのです。
フルハイビジョンと、4K、8Kの水平画素数、垂直画素数、総画素数についてまとめたのが下の表です。
8Kはお分かりの通り、水平画素数が7680(約8000)となっています。
フルハイビジョンから4K、4Kから8Kと進化するにしたがって、水平・垂直の画素数がそれぞれ2倍となっています。したがって、総画素数はそれぞれ4倍になっています。
4Kの総画素数が約829万画素ですから、少し前のコンパクトデジタルカメラ程度の画素数でしょうか?今で言うと、スマートフォンのフロントカメラの画素数相当です。
さて、11月25日は何の日かご存知でしょうか?そう、ハイビジョンの日です。アナログハイビジョンの走査線の数が1125本だったことに由来するのですが、この走査線の数は一体どうやって決まったのでしょうか?少し難しいかもしれませんが計算式を使って考察してみましょう。
まず、今のテレビの横縦比は上の表からも分かるように16:9です。人間がテレビを見るとき首を動かさなくても、没入感が得られる視野角は左右合わせて33°です。テレビの高さをHとしたとき、テレビを見るための最適距離は、いくらでしょうか?下図をもとに計算してみてみましょう。
答えは、丁度3Hになります。つまり、テレビの高さから3倍の距離だけ離れた場所が最適視聴距離と言うことになります。
次に、3H離れた距離から隣り合う画素と画素が区別できないための、垂直画素数はいくらでしょうか?
これは、視力1.0の人が基準になっています。視力1.0とは5m離れた位置から、視力検査のCの字(ランドルド環)の切れ目の方向が分かる人の視力です。Cの字の切れ目の間隔は、1.454mmです。ここで、画素のサイズをd(mm)とすると、以下の式が成り立ちます。
この式より垂直画素数は1146になります。実際の1125本との差異はよく分かりませんが技術的な理由によるものだと思います。
さて、4Kテレビはフルハイビジョンテレビに対して垂直画素数が2倍なのだから、フルハイビジョンテレビの半分の距離まで、テレビに近づいても隣り合う画素と画素が区別できません。したがって、4Kテレビの最適視聴距離は、1.5Hとされています(視野角は66°となりますのでより高い没入感が得られるとされています。
将来、8Kテレビが市場に出回ることになれば、最適視聴距離は0.75Hまで接近可能です。リビングでテレビを見る距離は、精々1~2m程度でしょうから、テレビの高さは少なくとも1.3m~2.7mとなります。日本の家屋の壁の高さがだいたい2.4mですから、壁一面がディスプレイになる世の中が来ても不思議ではありません。
さて、ここまで4Kから8Kになるにつれて、解像度が高くなることを見てきましたが、解像度が高くなると当然データ容量が増えます。そこで、通信速度(伝送速度)は、どのくらい必要かという問題が生じます。次回のコラムでは、データ容量と通信速度の関係を見ていきたいと思いますので楽しみにしておいてください。