ムエンダーは除虫菊
金鳥のムエンダーってよく効きますね。今年の夏もまだ見かけません。しかもペットがいても大丈夫なんて、非常に感心したので、以前、自分で成分を調べたら、除虫菊にたどり着きました。今回は、そのあたりをもう少し詳しく聞いてみます。まずは、ムエンダーの主成分であるフェノトリンとメトフルトリンについてChatGPTに聞いてみます。
答えは以下の通り。
はい、それぞれ詳しく解説いたします。
ムエンダーの主成分
「フェノトリン」と「メトフルトリン」はどちらもピレスロイド系殺虫剤に分類されます。これは、除虫菊由来の天然成分「ピレトリン」をもとに合成された殺虫成分で、速効性・低毒性(哺乳類に対して)・安定性の高さが特徴です。
① フェノトリン(Phenothrin)
● 特徴
- 化学名:1R-trans-phenothrin
- 分類:ピレスロイド系殺虫剤
- 用途:人やペットへの安全性が高いため、シラミ駆除や犬用ノミ取りなどにも使用されます。
- 作用:昆虫の神経系に作用して麻痺させる(ナトリウムチャネルの持続的開口による神経過興奮)。
● 効果
- 直接噴射で即効性あり
- 接触毒として働き、命中すれば短時間でノックダウン(動けなく)します。
② メトフルトリン(Metofluthrin)
● 特徴
- 化学名:
2,3,5,6-tetrafluoro-4-methylbenzyl (E,Z)-(RS)-cis-trans-2,2-dimethyl-3-(2-methylprop-1-enyl)cyclopropanecarboxylate - 分類:揮発性のピレスロイド系殺虫剤
- 用途:主に蚊取り・虫よけ製品(蚊取り線香・ベープ・吊り下げ式忌避剤など)に使われます。
● 効果
- 揮発性が高く、空間に拡散して忌避・駆除
- 殺虫力は強いですが、接触させないとノックダウンまでは難しいことも
- 空間全体にじわじわ効く性質で、「潜んでいるゴキブリを追い出す」のに向いています。
比較まとめ
成分名 | 主な特徴 | 用途 | ゴキブリへの効果 |
---|---|---|---|
フェノトリン | 接触毒・即効性 | スプレー、シラミ駆除など | 命中するとすぐ麻痺・ノックダウン |
メトフルトリン | 揮発性・空間拡散 | 蚊取り、空間用殺虫剤 | 忌避効果・追い出しに強いが即効性は劣る |
安全性について
- いずれも哺乳類(人間・ペット)には比較的安全とされますが、魚類・爬虫類・両生類には毒性が高いため、水槽のある部屋などでは使用を避ける必要があります。
- 揮発性成分(メトフルトリン)は換気の悪い部屋で長時間使うと、頭痛や喉の痛みなどを感じる人もいます。
それでは、これらの薬剤と除虫菊の関係についてチャットしてみました。
答えは以下の通り。
はい、フェノトリンやメトフルトリンと「除虫菊(じょちゅうぎく)」の関係についてご説明します。
◆ 除虫菊とは
- 学名:Chrysanthemum cinerariifolium(またはTanacetum cinerariifolium)
- 原産地:バルカン半島(現在のクロアチア、ボスニアなど)
- 日本では:明治時代に輸入され、紀州(和歌山)や広島などで栽培が盛んになりました。
● 特徴
- 花の部分に「ピレトリン(pyrethrin)」という天然の殺虫成分を含みます。
- ピレトリンは昆虫の神経系を麻痺させて殺す作用があります。
- 人間や哺乳類にはほとんど毒性がなく、安全性が高いです。
◆ ピレトリンとピレスロイドの関係
● ピレトリン(天然成分)
- 除虫菊から抽出された天然の殺虫成分(第1世代)
- 熱や光に弱く、効果の持続性が低いという欠点がある
● ピレスロイド(合成成分)
- ピレトリンの構造を参考にして化学的に合成された殺虫成分(第2世代以降)
- フェノトリンやメトフルトリンはこのピレスロイドに属します
- 天然ピレトリンよりも安定性・持続性・強さ・コントロール性に優れる
◆ 関係のまとめ
項目 | 内容 |
---|---|
除虫菊 | 天然の殺虫植物。花にピレトリンを含む。 |
ピレトリン | 除虫菊由来の天然殺虫成分。即効性ありだが、分解が早い。 |
ピレスロイド | ピレトリンを模倣して作られた合成殺虫剤群。安定性と持続性を向上。 |
フェノトリン・メトフルトリン | ピレスロイドの一種。ゴキブリや蚊に効果。 |
つまり、フェノトリンやメトフルトリンは「除虫菊の有効成分(ピレトリン)」を人工的に改良・発展させたものです。
◆ 補足:なぜピレスロイドが主流になったのか?
- 天然ピレトリンは高価で不安定 → 合成化で大量生産・安定化に成功
- 低毒性・高い安全性 → 家庭用殺虫剤として理想的
- 除虫菊の栽培は減少し、ピレスロイドが代替されるようになった
なるほど、ピレスロイド系は除虫菊のピレトリンが元で人間には安全性が高いのですね。つづいて、なぜピレスロイド系が虫に効くのかを聞いてみました。
ピレスロイド系殺虫剤(フェノトリンやメトフルトリンなど)が虫に効く理由は、主に神経系への強力な作用によるものです。
以下にわかりやすく説明します。
◆ ピレスロイドが虫に効く仕組み
◎ 標的:昆虫の「神経細胞のナトリウムチャネル」
- 昆虫の神経は、ナトリウムイオン(Na⁺)の流入と流出によって電気信号(活動電位)を伝えます。
- 神経の末端では、この電気信号が筋肉や他の神経へ伝わることで、運動・反応などが起こります。
◎ ピレスロイドの作用
通常の状態 | ピレスロイドが効いた状態 |
---|---|
ナトリウムチャネルが開閉し、電気信号が正常に流れる | チャネルが開きっぱなしになる(閉まらなくなる) |
→ 神経が一時的に興奮し、次にリセットされる | → ずっと神経が興奮状態 → 麻痺・けいれん・死 |
- 結果的に、神経の異常な興奮 → 運動不能 → 麻痺 → 死亡 という流れになります。
◆ なぜ虫には効いて、人にはあまり効かないの?
ピレスロイド系殺虫剤は、哺乳類と昆虫の違いを巧みに利用しています:
特徴 | 昆虫 | 人間(哺乳類) |
---|---|---|
ナトリウムチャネルの感受性 | 非常に高い(ピレスロイドが強く作用) | 低い(あまり影響を受けない) |
分解酵素(肝臓など) | 少ない or 弱い | 強力な分解酵素を持つ(速やかに無毒化) |
体表の面積比 | 小さくて被曝量が大きくなる | 大きいため影響は限定的 |
→ そのため、殺虫剤として虫に強く効く一方で、ヒトやペットには比較的安全なのです(ただし換気は重要です)。
◆ ピレスロイドの利点まとめ
- ✅ 昆虫に対して強力な神経毒
- ✅ 人や哺乳類には比較的安全(分解されやすい)
- ✅ 臭いが少ない・速効性がある
- ✅ 熱や光に強く、屋外やベープなどにも使える
◆ 逆に注意すべき生き物
- 🐟 魚類・両生類(カエルなど):代謝能力が低く、ピレスロイドに非常に弱い
- 🦎 爬虫類も敏感なことがある
→ こうした生き物がいる部屋では使用を避けるべきです。
なるほど、人間には安全性が高い理由もよく分かりました。除虫菊が紀州で栽培されていたそうですが、どうりで金鳥の工場が和歌山にあるわけです。ちなみに、金鳥のマークが鶏なのは、創業者の上山英一郎氏の「鶏口と為るも牛後と為る勿れ」という思いからだそうです。